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養子縁組 ~ セクシャルマイノリティ同士が家族になるためには

養子縁組同性同士もしくは戸籍変更前のGIDで異性愛者の方の場合には、戸籍上の問題で結婚ができないのはご存じの通りです。ただ、法律上の家族にはなれずとも、それに近しい権利義務関係を作るために必要な事を、このサイト上で説明をしてきています。
しかし中には、お互いで作る書面上の関係よりも、法律上の関係を望む方も大勢おられると思います。養子縁組をすれば、姓(氏)を同じくすることもできますし、相続権も当然に発生するわけです。また、役所に書類を提出すること、同じ戸籍に名前が載るということで、何か気持ちが引き締まるものもあるかもしれませんね。
いずれにしましても、養子縁組をする、しないというのは、当人同士の考え方によるところですから、私からどちらがよいかというところはお話しができません。
けれど、養子縁組で知って置いていただきたい落とし穴について、特に財産関係や、相続などについては、法律上の関係が築けたことで、全てクリアと思われがちですから、その辺りも含めて詳しく説明してゆきましょう。

□ 養子縁組の特徴

親族関係を作ることができる。つまり、法律上の家族になることができるわけですが、これには、法律上、二通りの方法があります。

(ケース1)
当事者一方の両親と養子縁組をする。 ※ 当事者は“きょうだい”になります。
(ケース2)
当事者同士で養子縁組をする。 ※ 当事者は“親子”になります。

□ ケース1の説明

養子縁組ケース1
法律上は “きょうだい”になります。同時にA父母はBの父母にもなるわけです。
Aにもともとの“きょうだい”がいれば、その方とも“きょうだい”になります。
※ BがA父母と養子縁組をするにあたって、Bの実父母の同意は必要ありません(つまり、勝手にできるということです)。

注意!
 A父母がBの父母にもなるといことは、BはA父母の相続権を得るということになります。逆にBにもしものことがあれば、A父母が相続権を得るということも考えられ、お互いの相続人同士での争いになる可能性は考慮する必要があります(A父母の健康如何では、先に離縁をしておくなど)

□ ケース2の説明

養子縁組ケース2
法律上は“親子”になります。そしてA父母はBの祖父母にもなると言えます。なお、法律上、親になるのは必ず年長者側となり、そちら側の姓(氏)になりますので、普段のABの関係性如何では、なじまないところもあるかもしれません。
ただ、実際問題としては、ケース1のように、相手方の両親と養子縁組をするというのは、なかなか難しいですから、実際にはケース2が殆どではないでしょうか

※ ABが成人であればお互いの意思で養子縁組ができるので、A父母・B父母の同意を得る必要はありません。

注意!
ケース1と同様、ケース2も、相続の問題が生じます。たとえば、AがA父母よりも先に亡くなった後も離縁の手続きをせず、その後A父母がなくなれば、本来Aが相続する分は、Bが相続をするということになります。そうなりますと、やはり相続争いになる可能性がありますので、この点も注意が必要です。

松浦コメント(ケース1・2共通の注意点)
養子縁組は、法律上の関係を築けるということと、姓(氏)を同じくできることなどのメリットはあります。ケース2であれば、親子関係がありますから相続権も発生をすることになります。
しかし、養子縁組を“結婚”という観点からみると、夫婦としての権利義務関係は発生をしていませんから、つまり、離縁時の財産分与があるわけではなく、貞操を守る義務なども表面上は発生をしていないことになります。この点は注意が必要なところです。
こういったお話しをすると、「自分達は親子関係であろうが、夫婦として考えているから・・、たとえ離縁になったとしても、その辺りはきちんとする・・」という声が聞こえてきそうですね。この想いは本当でしょうし、否定はいたしません。けれど、いざ離縁(離婚)になるということは、お互いに揉めている前提がありますから、なかなかキレイには進みません。内縁・事実婚の夫婦をみておりますと、この辺りは如実に痛感します。
よって、養子縁組をするとしても、できるかぎり夫婦という実態に近づけるため、お互いを守る、気を引き締めるという意味で、パートナー契約(準婚姻契約)は必要であると考えています。
※ 遺言や任意後見契約なども、たとえ養子関係があっても必要だと思います(この点は任意後見契約や遺言書のコンテンツに説明は譲ります)。

□ ケース1・2の違い ~ 離縁後の結婚(同性婚) ~

ケース1・ケース2の違いは、“きょうだい”か“親子”になるかという違いであるということはお話しをした通りです。若干、相続権に関する違いはあるとしても、姓(氏)を同じにするということを目的にした場合には、基本的な関係は同じです。

しかし、大きな違いが一つあります。それは、今後同性婚が認められた場合についてです。

端的にいえば、

  • ケース1では、離縁をしても、しなくても、同性婚が認められれば、結婚ができる
  • ケース2では、離縁に関係なく、結婚は認められない(可能性がある)

ということになります。

日本の現状の法律では、養子縁組により親子関係になった場合には、たとえ離縁をして他人になったとしても、結婚はできないというルールがあります。

ただ、同性婚を認める目的は、セクシャルマイノリティ・LGBTに向けられているわけですから、おそらく特例という形が作られるとは思います。それを作らなければ、同性婚を認める意味合いが没却しますので。よって、それほどナーバスにはなる必要はないとは思います。
しかし100%言い切れはしませんから、難しくともケース1か、場合によっては、しばらくはパートナー契約(準婚姻契約)という形をとられて、様子を見るというのも一つの選択肢かと思います。

どういったパートナーの形を取るかは、当事者一方の意思だけで決められるものではありません。Aさんはパートナー契約でよいと考え、Bさんは養子縁組をしたいということもあるでしょう。また、親族との関係などによっても、状況は変わってきますから、時として適切な形は変わってくるかもしれません。この辺りについても、ご相談はウエルカムですよ。

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