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遺言書 : パートナーに財産を残せる唯一の方法 & リスク対策

遺言書同性愛者と戸籍変更前のGIDの方で異性愛者の方の場合には、パートナーへ財産を残すためには、遺言書の作成は本当に必要になるものと思います。
なお、別コンテンツである、任意後見契約や死後事務委任契約のところでも少し触れてきておりますが、まずは遺言書についての説明をいたしましょう。

遺言書とは

遺言書というのは、端的にいえば、亡くなった後に自分の財産の行き先を決めておくものということができます。また、葬儀の仕方(密葬・お骨は海へ・・等も)のお願いを書いておくことができます。
そして、もう一つ大きなところでは、 遺言の執行者を設定し、その方が全てを実行してゆくことができるようにすることも可能です。そのほかでは、友人知人、親族等へ向けてのメッセージを残すこともできます。

まとめますと、

(1) 財産の分配
(2) 葬儀の方法
(3) 遺言執行者の設定
(4) メッセージ(付言)

が可能なわけです。そこでクエスチョンです。

Q1:なぜ財産の行き先を遺言書に残しておかなければならないのでしょうか。

A:相続は、戸籍上の親族関係にある方にしか、権利が認められていないからです。

たとえ内縁関係にある夫婦であっても、戸籍上の関係がなければ、想像権だけは認められていません。ですから、同性愛者や、戸籍変更前のGIDで異性愛者の方は、パートナーに財産を残すためには、遺言書で財産を残し、なおかつメッセージとして、遺留分減殺請求はしないようにしてもらいたい旨を書いておく必要があります。
※ 遺留分減殺請求:法定相続分が侵害をされた場合に、一定範囲「返して」ということができる請求権。

Q2:遺言書には、自筆証書遺言や公正証書遺言などがありますが、どういった形でもよいのでしょうか。

A:私個人としては、公正証書遺言にされるのがベストであると考えています。

松浦自筆証書遺言というのは、当人が自分で書いて、それを保管しておくといものです。相続時にこれが発見をされた場合には、相続人全員で家庭裁判所にて“検認手続き”という、いわゆる開封をしてもらう必要があります。つまり、その内容を全員で確認し、そのうえで話しを進めてゆかなければなりませんので、揉める要素が多いということです。また、見つかり次第、捨てられてしまうということもよくあることです。
一方で、公正証書遺言は、公証役場にて作成の手続きをしてゆくものですから、捨てられても再発行が可能ということと、また一番大きなメリットは、家庭裁判所での検認手続きがいりませんので、勝手に相続を進めることができるということです。
また、細かいようですが、遺言書がなければ、故人の出生辺りから、死亡時までの戸籍謄本の取り寄せなど、手間になる手続きがあるわけですが、遺言があればそういった手続きもいりません。
いずれにしましても、故人の親族とどういった付き合い方をしていたかによるところはあっても、必ず何らかの抵抗はありますから、公正証書遺言でスムーズに進めてゆくのがよいと考えます。

Q3:遺公正証書遺言の作成には、証人が2人必要と聞きましたが、私達のケースで証人になってくれる方はいるのでしょうか。

A:松浦と堀川も証人になることができますし、公証人へ用意をお願いすることも可能です。また、松浦が遺言執行者になることも可能です。内容についても、ご相談を受け付けております(原案作成も可能です)。

※ 公正証書遺言の作成方法などについては、別ページにある公正証書遺言の作成方法でご確認ください。

Q4:遺言書がなければ、絶対に相続財産は貰えないのでしょうか。

A:法律上は基本的に貰えません。また遺言書がない場合には、相続人全員で分配を話し合い、その結果を、遺産分割協議書へ記さなければ、各種手続きができないのですが、その相続人全員の一致で、財産をもらう事が出来る取り決めは、残念ながら期待できません。

 財産を多くもっている側が、贈与税の掛からない範囲(年間110万円)で、少しずつ生前贈与をしてゆく方法もありますが、ご自宅などはそれができないことが多いでしょう。
よって、遺言は必要です。特にご自宅のある場合には必須です。たとえば、ご自宅の名義が故人との共有になっている場合を想像してみてください。
故人の持分に、相続人が入ってくることで、その持分によっては退去を主張されたり、買取請求をしてくることもあり、揉める要素があります。
パートナーが亡くなれば、ローンは団体信用保険にて免除になるわけですが、これこそ相手方に残しておきたい財産ですから、お互いを守るためにも、早めに考えておかれてください(決して急かすわけではありませんが、同様のケースで揉めている案件は多々見ておりますので心配があるわけです)。

Q5:遺言書があれば、相続人が文句を言ってくることはないのでしょうか。

A:あります。場合によっては、遺言書の無効を主張してくることもありますし、遺留分を請求してくること、また、調停、審判などになることも少なくはありません。

 もちろん、親族の方との付き合い如何というところもあるでしょうが、いざお金のお話しになれば揉める事は多いのが実情です。だからこそ、遺言書は、内容に不備の無いように、また相続人との接触が少なく済む公正証書遺言がよいと思うわけです。また、遺言執行者を設定しておけば、その方から親族へ連絡をしてもらうことも可能ですので。
ただ、上でもご説明した通り、パートナーへ提供する相続分が、あまりに多い場合には、他の相続人より遺留分を主張されてしまうこともあります。ですので、そこが懸念される場合には、幾らかでも、そちらへ提供する旨を記しておかれてもよいでしょう。
また、仮に親族から阻害されていたような事実があれば、それも遺言書に記載をしておき、よって親族へは相続はさせたくない・・、という旨を記載しておけば、仮に揉めた場合の証拠にもなります。

Q6:私には、パートナーがいません。身内には、財産として残したくはありません。

A:こうしたケースもよく耳にします。今まで私が携わったケースでは、セクシャルマイノリティ・LGBTの団体への寄付ですとか、 家は当事者のシェアハウスとして提供してもらいたいといものがありました。これからの子ども達のために残すのもよいと思います。

松浦コメント コンテンツの全てを読んでいただいた方は、任意後見契約・死後事務委任契約・遺言書には一連の流れのあることを分かっていただけたかと思います。
ただ、絶対にしなければならないというものではありません。客観的にみれば、それでお互いを守ることができるわけですし、なにより安心ができるわけですから、あればベターであると思います。私の立場上、予防法務という観点からも必要であるというお話しになります。
しかし、これは諭されて、強制されてするものではありません。あくまで、お互いの信頼関係のもとに築かれるべきものです。ですから、焦らずに、あなた達の歩幅で、ペースで考えてゆかれてください。迷われたら、いつでもご相談ください。私も堀川も、真剣にお話しをお伺いしますよ。

※ 公正証書遺言の作成方法などについては、別ページにある公正証書遺言の作成方法でご確認ください。

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