セクシャルマイノリティの悩み
個人ではなく、セクシャルマイノリティという枠組みで纏められてしまうこと
セクシャルマイノリティと呼ばれる方の場合、もし何らかの騒ぎを起こしてしまったり、メディアなどで良くも悪くもとりあげられると、「個人」だけの評価では留まらず、「セクシャルマイノリティ全体」を指されてしまうことが多く、結果それが、間違った知識や語弊を招くことになりうるので、そこに関しては、なんとも言えない気持ちになることがあります。
例:「あー、あの人セクマイなんだ・・」→「だからか・・」のような会話。個人的なことでも、セクマイを理由にされ、またセクマイ全体をそのようにみられてしまうこと。
「プールや温泉などに入れない」(※GID目線になります)
最近ではプールでも、サーフィン用などのウェアの着用が認められている場所は増えて来ましたが、学生時代であれば、制服にしても、水泳の授業にしても、男女によってはっきりと分けられていたのですごく嫌悪感を抱きました。同級生の目の前で、ましてや思春期で好きな子もいる中、自分の性自認に反する性の水着を着用しなければならないということは非常に辛いものです。けれど、病気ではありませんから、授業を休む訳にもいかず・・、なんとも言えない気持ちです。
温泉や銭湯に関しても、戸籍上の性で入浴しにいった場合は、通報されてしまいます。これが罪になるかどうかはさておき、いずれにしても、日常男女の区分けは思った以上に多く、頭を悩ませる材料です。。
就職時には「戸籍」が関係してくることがある。(※GID目線になります)
コレは業種や勤め先によって変わってくることでもありますが、実際問題、GIDであるという理由で不採用になったり、面接時にカミングアウトしてしまうと不利になるなど、就職時の壁があります。ですから、男女での差が無い美容師や調理師などの技術職に就かれる方も多いものです。
ただ中には、会社側にはカミングアウトをせずに入社し、結果自分の性自認を押し殺すことに耐えられずに辞めてしまうケースもあります。もちろん、自分の望む性自認で、就職のできている方もいますし、会社の社長や一部の人だけが全てを知っていて、戸籍を変えていなくとも自分が望む性自認での就職をされている方もいますから、決して、会社全体が受け入れの拒否をしているわけではありませんが、やはりハードルはまだ高いのが現状です。
※ より詳細は会社関係者の方へコンテンツをご参考にされてください。
なお、堀川自身は、高校卒業後、陸上自衛隊に入隊し、予め入隊前に担当の方にはカミングアウトしていたのですが、「中に入ってからするように」と言われ、実際に入隊してから診断書を提出してカミングアウトした所、「女性自衛官として採用したので、もし仮に君が中にいる間に、身体の治療を行ったり、マスコミで騒ぎになったり、周囲の子達から、苦情が来た場合は君には、辞めてもらわなければならない」と言う条件が下され、結果としては「条件付き採用」という形になってしまいました。まだまだ、性による壁は立ちはだかります。
早い段階で治療を進めて行くにあたって
最近では、小学生の段階でホルモン療法などの治療が開始されるというニュースなどを耳にします。これについて個人の意見で言えば、社会的にも受け入れられて来たという意味では喜ばしいことであっても、まだ心が発育しきっていない段階で、実際に治療を行ってゆくというのは、微妙なところを感じます。
本人の希望と言えばそれまでですし、確かに早い段階から、自分の性自認に沿った治療を行えれば、悩みや苦労は軽減されるかもしれず、その点では、よいのかもしれません。
ただ、どれだけ早い段階で治療を受けていても、元女・男であったという事実は変わりませんし、いくら治療をおこなったとしても、生涯、なんらかの形でつきまとうことだと思っています。何が言いたいのかといえば、こうした問題がつきまとうわけですから、ある程度悩みの期間を持ち、あらゆる壁に対応できるような訓練も必要なのかもしれないということです。老婆心といいますか、自分自身、悩んでいた結果、ぶつかった壁を崩すことができた場面は多々ありますから、そういった点も見据えて選択をしてもらいたいと思うわけです。
セクシャルマイノリティの希望
治療時期・年齢への検討について
以前に比べると少しずつではあっても、セクシャルマイノリティに関する社会的認知度はあがってきています。ドラマもそうですし、特集が組まれることもありますから、それは望ましいと考えています。
また、医療面でも進展はありますし、法律にしても、まだ法制定という点では整ってはいませんが、声があがりつつありますし、また当サイトで説明しているように、法で解決できる問題もありますから、生活しやすい環境になりつつあります。
正直、世の中を見ているかぎり、まだまだ進展はスタートしたばかりとは感じますが、けれど「少しずつ」がくり返されることで、セクシャルマイノリティであることに引け目を感じたり、自分を傷つけたりする人が1人でも減り、自分という人間をありのままに生きれる、世の中になっていったら、こんなにハッピーなことはないと思います。
セクシャルマイノリティの期待
ips細胞に関する医療進展への期待
iPS細胞などの分野での発展により、自分の精子やDNAを抽出して近い将来、自分達の子どもを授かれるのではないかという期待があります。倫理上の問題が取り上げられていますが、GIDの場合には、戸籍変更に関するコンテンツで説明をしました通り、子宮の摘出や睾丸の摘出などがあり、これをしてしまえば、子どもが作れなくなるという悲しい気持ちが残っています。ですから、社会的倫理などは置かせていただきますが、認められれば、子どもを持つことができるのではという期待感があります。
同姓婚やパートナー制度に関する法律制定への期待
同性婚に関するニュースがアメリカjなどの諸外国で議論が行われており、ここ最近でいえばNYで同姓婚が認められたことは記憶に新しいところです。是非日本でも、そうしたものができれば、とてもうれしく思います。
なお、この問題への意見は人それぞれで、断固として反対という意見も耳にします。けれど、人が人を人として好きになれば、一緒になりたいという気持ちは生まれます。確かに生殖能力のないこともありますし、同性愛者であっても、必然的に子どもを持つことはできません。しかし、夫婦になる絶対条件が、子どもをつくることではありませんから、セクシャルマイノリティが夫婦という門戸を開いてもらいたい気持ちは組んでもらえますとありがたいです。