恋人へ本音を聞いてみた ~ セクマイインタビュー集
GIDで恋人がおられる方の中には、パートナーが「自分との交際をどう考えているのだろうか・・、不満はないだろうか」と考えたことのある方もいると思います。つい恋人に聞いてしまうも、それが本音か建前かで今度は不安に感じてくるものです(不安は、相手への不満とも受け取られますから、注意ですよ)。その本音を聞くべく、インタビューをしてきました。
恋人の本音を覗いてみましょう!
【インタビュー項目例】
- カミングアウトされた時の気持ち
- 周囲の目
- パートナーの事を友人や両親に話すことができたか
- 交際上の苦労話や不安など
- 別れた理由
- 性行為について・・・等
(1) 20代女性 性指向:パンセクシャル → パートナー :FTM (TS)
Q1: 初めてFTM(TS)のパートナーの方とお付き合いを始める前に、相手の身体のことは知っていましたか?
A: はい。セクシャルマイノリティに関する専門的な用語や知識を多く知っていたわけではありませんが、元々私自身、初恋の人がボーイッシュな女の子ということもあったので「この人もそうなのかな?」という思いはありました。
Q2: カミングアウトをされた時、どういう気持ちになりましたか?
A: 正直に話してもらえたということで、信頼してもらえた!
という喜びはもちろんありました。むしろ私自身が(LGBTの方に失礼かもしれませんが)LGBTの方に魅力を感じるタイプだったので、”そういう人”であって欲しいとどこかで望んでいました。なので素直に嬉しかったです。
Q3: そこに抵抗はありませんでしたか?
A: 望んでいたぐらいなので全くありませんでした。
Q4:「付き合おう」と思ったキッカケはなんですか?
A: それは、性別関係無く一人の人間として、「この人と一緒にいれたらいいな」と恋愛としても思えたからです。
Q5: 周囲の目は気にならなかったのですか?
A: 私は自分の周囲の人たちにも言いたかったのですが、彼が「言ってはいけない」と言っていたので、特に自分から話すといったことはありませんでした。それはきっと彼自身が今までの経験上のことや、自分のせいで私が不憫な思いをするからと思ってくれていたのかもしれませんが、私はそんな風に思う必要は無いと思っていました。
Q6: また、パートナーの存在のことを自分の周囲の友人や、両親、学校、会社などに、相談や話すことはできましたか?
A: 実は付き合う前から、彼のことは姉と母には話していたので、実際に交際を始めたときも心よく受け入れてくれました。実際に交際を始めてから家族にも紹介しました。
しかし、親友には中々話せず、元々普段の会話の中でもLGBTの方々に対しては、あまり良くは思っていなかったようなので、実際に話してみた時も「女の子同士で付き合うことが成り立つのか?」と疑問に感じていたようでした。きっとそれは自分の親友が、周囲から変な目で見られないか。と心配してのことだったんだろうと思います。その後、疑問には感じつつも受け入れてくれたので、付き合い方が変わるというようなことも特にありませんでした。
Q7:パートナーがGIDであるが故に、苦労したこと、不安だったことはありますか?
A: 特にGIDであるが故にという悩みはありませんでした。あるとすれば、人としての性格の不一致や習慣の違いぐらいだったので、GIDであることは関係ありませんでした。
Q8: 子実際に交際をはじめてみて、予想外だったことはありますか?
A: セクシャルマイノリティの中にも色んな性自認や性指向を持つ方がいて、専門の用語があるなど、そういう知識を知ったことぐらいです。
Q9: GIDの方の多くはパートナーに対し、「申し訳ない」と思う気持ちが強く見られますが そのことに対してはどう思われますか。
A: それはパトーナーの身からしても、十分に伝わっています。ただ、それは本人自身が世間体を気にしているから、申し訳ないと思う訳であって、私自身は相手がGIDであること関係無く、結婚もしたくなければ子どもも欲しくないと思っていたので、(本人にも伝えていました)何に対して彼が申し訳ないと思っているのかよくわかりませんでした。
Q10:最後にあなたが思う「パートナー」について教えて下さい。
A: 「自分の人生の時間を一緒に重ねて生きて行ける人」です。
【性行為についての質問】
Q1: 戸惑いや驚きはありませんでしたか?
A: 確かにどうなれば最後なのかがわからなかったので、疑問には感じていましたが
それも見越した上で交際をしていました。私自身が触られることには、抵抗はありませんでしたが、元々私が性別関係無く相手に触ることはあまり自分からしたくないタイプだったので、特に私から何かするということはありませんでした。
Q2: 相手の身体に対して違和感はありませんでしたか?
A: 相手のことは男性として見ていましたが、どうしてもその人の身体自体はまだ女性だったので「女性」×「女性」になってしまうのは仕方ないことだと思います。
Q3: 他のセクシャルの方ともそのような行為に至ったことはありますか?
A: ストレートの女性の方ともあります。その方は男女関係無く私が初めてだったようですが、特に嫌がる素振りや戸惑いはありませんでした。
Q4:男性と女性ではどちらを好きになる割合が多いですか?
A: 人として好きにるので割合はありません。男性を好きになった場合は、女性的な自分になり、女性を好きになった場合は、男性的な自分になります。今まで好きになる人はもちろん人として魅力を感じる人で、性別で言うと「男性」と「女性の中でもボーイッシュな方」を好きになっていました。でも今は、可愛いらしい女性も恋愛対象になっています。
自分の変化にあわせて恋愛対象の範囲が広がってきているのかもしれません。私自身は自分の性自認に対して、身体の治療を行いたいとは思いませんが、人として可愛くもかっこよくもある、中性的な立場でありたいと思っています。
(2) 22歳/ 性自認:女性 性指向:男性 → パートナー :FTM (TS)
Q1: 初めてFTM(TS)のパートナーの方とお付き合いを始める前に、相手の身体のことは知っていましたか?
A: いいえ。ただ、男の子っぽいボーイッシュな女の子だと思っていました。
Q2: カミングアウトをされた時、どういう気持ちになりましたか?
A: 普段の友人としての会話の中でも、男の子が異性に対して言う様な言葉や態度が度々あったので(ほっぺにキスしていい?)など、女の子の友人同士が言う様なことではないなーとは思っていたので、驚きはしませんでした。
Q3: そこに抵抗はありませんでしたか?
A: 今までそういう節目が見えていたので抵抗は無く、人として受け入れていました。
Q4:「付き合おう」と思ったキッカケはなんですか?
A: 始まりは私自身がただ単純に寂しかったので、この寂しさを埋めれたらなーと軽い気持ちだったかもしれません。
Q5: 周囲の目は気にならなかったのですか?
A: とても気になりました。なので彼には他の人には言わないで欲しいと言いました。それは私自身、いけないことをしている気持ちもありましたし、他の人が私たちの関係を受け入れられられないのでは無いかという不安もありました。
Q6: また、パートナーの存在のことを自分の周囲の友人や、両親、学校、会社などに、相談や話すことはできましたか?
A: 友人の1人にだけ話すことができました。その友人を選んだ理由は特にありません。ただ私自身が一人でこの問題に抱えきれなくなったからだと思います。このままずっとこの人と付き合っていてもよいのか?もっと他の人を知らなくてよいのか?色んな人を知って吸収したほうがよいのではないか?そんな後ろめたい気持ちがありました。
Q7:パートナーがGIDであるが故に、苦労したこと、不安だったことはありますか?
A: GIDの方でなくとも苦労はそれぞれの恋人同士の中にあると思います。私の場合、不安や苦労はその都度彼にぶつけていたので、その面では大丈夫でした。
Q8: 子実際に交際をはじめてみて、予想外だったことはありますか?
A: 通常の男の子と付き合うのと何ら変わりはありませんでしたし、「違う」という感覚すら沸きませんでした。敷いて言えば、彼のご両親が彼の身体のことを知らなかったことぐらいです。
Q9: GIDの方の多くはパートナーに対し、「申し訳ない」と思う気持ちが強く見られますが そのことに対してはどう思われますか。
A: 生きて行く上で問題を抱えているのはGIDの方だけではないので,人によって抱えている問題は違って当然だと思います。なので、そのことに対して申し訳ないと思う必要は無いと思います。
Q10:別れた理由はなんですか?
A: 彼の生活の全てが私中心になっていたので、彼がダメになると思ったからです。
Q11:最後にあなたが思う「パートナー」について教えて下さい。
A: 「最後の最期に一緒に笑いたい人」